エアーフィルターを導入しているにもかかわらず、不具合が解消しないという相談は少なくありません。
「フィルターがあるのに問題が出る」という状況は、原因の切り分けを難しくする要因にもなります。
見直すべきポイントは一つではなく、複数の要素が関係していることもあります。
本記事では、フィルターを入れているのに不具合が出るときの原因を整理します。
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「フィルターがある=安心」という思い込み
フィルターは設置した時点で役割を果たしている、と考えてしまうことがあります。
しかし実際には、
・種類が適切か
・状態が維持されているか
・設置位置が適切か
といった条件がそろって初めて機能します。
フィルターは“入れただけ”では十分に働かない設備といえます。
原因1:フィルターの種類、精度が目的に合っていない
フィルターの性能が、対象とする不純物に合っていないケースです。
たとえば、
・必要な粒径まで対応できていない
・油分やミストへの対応が不足している
といった場合、フィルターを通しても不純物が残ることがあります。
また、逆に精度が高すぎることで負荷が増え、捕集効率の低下につながるケースも考えられます。
原因2:エレメントの劣化、目詰まり
エレメントが劣化している場合、本来の性能は発揮されません。
交換時期を過ぎていると、
・圧力損失の増加
・捕集効率の低下
が徐々に進行します。
変化が緩やかなため、異常として認識されにくく、気づいたときには影響が広がっていることもあります。
原因3:ドレントラップが正常に機能していない
ドレントラップが正常に作動していない場合、ドレンが内部に滞留します。
その結果、
・水分や油分の再飛散
・ろ過性能の低下
といった影響が出ることがあります。
この状態は、エレメント不良と誤認されることも多く、原因の特定が難しくなる要因の一つです。
原因4:処理流量、使用条件の変化
導入当初の条件と、現在の使用状況が変わっているケースもあります。
・エアー使用量の増加
・運転時間の延長
・負荷の変動
これらによって、フィルターの処理能力が不足することがあります。
フィルター自体に問題がなくても、条件の変化によって結果が変わることがあります。
原因5:設置位置、構成が適切でない
設置位置が目的と合っていない場合、十分な効果が得られないことがあります。
・守りたい設備の手前に設置されていない
・上流での処理が不十分
・末端だけに依存している
といった構成では、フィルターの効果が限定的になります。
配置と構成は、性能と同じくらい重要な要素です。
原因6:フィルター以外の設備が原因の場合
すべての問題がフィルターで解決できるわけではありません。
たとえば、
・水蒸気(気体の水分)による影響
・温度変化による結露
・エアードライヤーの性能不足
といった領域は、フィルターの役割外になります。
フィルターに過度な役割を期待している場合、対策の方向がずれてしまうことがあります。
不具合発生時の整理の進め方
不具合が発生した場合は、順序立てて整理することが重要です。
・フィルターの種類と精度は適切か
・エレメントの状態はどうか
・ドレントラップは正常に動作しているか
・設置位置と構成は適切か
これらを一つずつ確認することで、原因の切り分けがしやすくなります。
また、その問題がフィルターで対応できる領域なのかも、あわせて確認する必要があります。
まとめ
フィルターを入れていても、不具合が発生する原因は一つではありません。
種類、状態、設置位置、使用条件など、複数の要素が関係しています。
それぞれを整理することで、原因が見えてくると考えられます。
正しく切り分けることができれば、過剰な対策や無駄な交換を防ぐことにもつながります。
フィルターの見直しや原因切り分けは、現場条件によって判断が異なります。
岡谷酸素では、エアー品質のトラブル分析や構成見直しのご相談にも対応しています。
原因がはっきりしない場合は、ご相談ください。