工場の生産設備を安定稼働させるうえで、チラー(冷凍式冷却水循環装置)は欠かせない存在です。
射出成形機、レーザー加工機、分析機器など、多くの装置が冷却水によって温度を一定に保つことで、精度と品質を維持しています。
しかし、
「最近チラーの冷えが悪い気がする」
「設定温度まで下がらない」
「エラーが出ても、どこを見ればいいのかわからない」
といった声も少なくありません。
実は、チラーの冷却不足には複数の原因があり、早期に気づかなければ生産効率の低下や装置の故障につながることもあります。
今回は、チラーの冷却性能が低下する主な要因と、現場でできる点検・対策のポイントを紹介します。
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目次 |
チラーの冷却不足を招く主な原因
冷却不足の原因は「冷媒系」「水系」「電気系」といった複数の系統にまたがって発生します。
それぞれの仕組みを理解しておくことで、トラブルの早期発見につながります。
冷媒漏れ
冷凍式チラーは、圧縮機で冷媒ガスを循環させることで冷却水を冷やしています。
冷媒が漏れると、冷却能力が大きく低下し、設定温度まで下がらなくなります。
運転音が大きくなったり、コンプレッサーの運転時間が長くなる場合は、冷媒量が不足しているサインです。
また、フロン排出抑制法では、冷媒を使用するすべての業務用冷凍空調機器(第一種特定製品)に対して、機器の管理者による簡易点検(3か月に1回以上)が義務付けられています。
さらに、圧縮機の定格出力が7.5kW以上のチラーについては、専門の有資格者による定期点検(年1回以上)も必要です。
冷媒漏れを放置すると、法的なリスクだけでなく、環境への負荷も大きくなるため注意が必要です。
ポンプの循環不良
チラー内部の循環ポンプが正常に動作していないと、冷却水が装置側に十分に流れず、冷却が追いつかなくなります。
ストレーナーの詰まりや、配管内のエア噛み(気泡混入)も同様に循環不良の原因となります。
「冷却水の流量が少ない」「異音がする」といった場合は、ポンプや配管系の点検が必要です。
熱交換器(コンデンサー)の汚れ
冷媒が効率よく熱を放出できないと、冷却能力が低下します。
空冷式の場合はコンデンサーのフィンにホコリや油煙が付着しやすく、放熱が妨げられます。
水冷式の場合は、冷却水のスケール(カルシウムなどの析出物)や藻類の発生もトラブルのもとになります。
定期的にブラシやエアブローで清掃し、必要に応じて薬品洗浄を行うことが大切です。
冷却水の質と量
冷却水の質が悪いと、スケールやサビが熱交換器内部に堆積し、伝熱効率を下げます。
また、補給水が不足して水位が低下すると、ポンプが空転して故障する恐れもあります。
水質基準(導電率・pH・硬度など)を定期的に確認し、清水タンクの水位も忘れずチェックしましょう。
日常点検のチェックポイント
冷却性能の低下を防ぐには、日々の点検が欠かせません。
以下の項目をルーチンとして確認しておくことで、トラブルを早期に発見できます。
入口・出口温度の差:通常より温度差が大きい/小さい場合は、冷媒・流量異常の可能性。
圧力計の値:高圧側・低圧側のどちらかが極端に変化していないか。
流量計の指示値:循環が確保されているかを確認。
エラーコード:表示パネルに異常が出ていないか。
異音・振動:コンプレッサーやポンプから普段と違う音がしないか。
コンデンサーの汚れ:埃や油汚れの付着を目視点検。
冷却水タンクの水位・清浄度:不足や汚れがないか。
特に夏場は周囲温度が高く、放熱性能が落ちやすいため、冷却水温度と室温の関係を定点観測するのがおすすめです。
冷却トラブルを早期に発見するコツ
チラーのトラブルは、ある日突然起こるわけではありません。
多くの場合、「いつもと少し違う」サインを見逃さないことが、重大な停止を防ぐカギになります。
温度ログの定点記録
デジタル温度計やデータロガーを用いて、設定温度と実測値の推移を記録しておくと、微妙な変化にも気づきやすくなります。
日ごとの冷却速度や運転時間の差を比較することで、性能低下の傾向を早期に察知できます。
異音・振動の変化に注意
ポンプやコンプレッサーの異音は、摩耗やベアリングの劣化などの初期症状です。
運転中に異音が聞こえる場合は、早めの点検をしましょう。
周囲環境の見直し
チラーの周囲温度が高すぎると、冷媒の放熱効率が落ちて冷えにくくなります。
特に空冷式は、吸気口が壁や他の機器に近いと排熱がこもりやすくなります。
設置環境の見直しも、安定稼働のポイントです。
岡谷酸素のサポート体制
岡谷酸素では、チラーをはじめとする冷凍・空調機器の点検・修理・冷媒補充を行っています。
冷却能力の低下やエラー表示など、異常を感じた段階でご相談いただければ、有資格スタッフが現場の状況を確認し、冷媒漏れやポンプ不良などの原因を迅速に診断します。
また、フロン排出抑制法に基づく簡易点検・定期点検の実施にも対応しています。
冷媒の管理記録や修理履歴の作成・保存をサポートし、法令遵守と環境保全の両立をお手伝いします。
冷却設備は、工場の“縁の下の力持ち”です。
少しの異常でも早めに手を打つことで、製品品質や生産性を守ることができます。
「冷えが悪い」「温度が安定しない」と感じたときは、ぜひ岡谷酸素へご相談ください。
まとめ
チラーの冷却不足は、冷媒漏れ・ポンプ不良・汚れ・環境温度など、さまざまな要因が絡み合って発生します。
日常点検で“いつもと違う”兆候に気づき、早期に対処することが、安定稼働と省エネ運転につながります。
岡谷酸素は、現場の設備を支えるパートナーとして、確かな技術とアフターサポートでお客様の生産ラインを守り続けます。