冷凍式エアドライヤーは、工場の“空気の品質”を守る要。
工場や製造ラインで使用される圧縮空気には、目に見えない“水分”が含まれています。
この水分が機械内部に入り込むと、錆や製品不良の原因となり、設備全体の信頼性を低下させてしまいます。
そのため、多くの現場では「冷凍式エアドライヤー」が設置されています。
圧縮空気を冷却して水分を除去することで、常に乾燥した空気を供給し、安定稼働を支える重要な装置です。
しかし、この冷凍式エアドライヤーの“冷却”を担っているのが「フロンガス」です。
もしフロンが漏れてしまうと、冷却能力の低下だけでなく、環境への影響や法令違反につながる恐れがあります。
今回は、そんな冷凍式エアドライヤーの「フロン漏れ」対策と、長く安心して使うための保守ポイントをご紹介します。
|
目次 |
フロン漏れがもたらす3つのリスク
① 冷却性能の低下と結露トラブル
フロンガスが不足すると、ドライヤー内部の冷却能力が低下します。
十分に空気を冷やせなくなり、除湿が不十分となることで、圧縮空気中に再び水分が混入。
その結果、配管やエア機器内に結露や錆が発生し、最悪の場合は機械停止につながることもあります。
② 機器の寿命短縮・故障リスク
フロン漏れを放置すると、冷媒圧力の異常やコンプレッサーの過負荷が発生しやすくなります。
負担が蓄積することで、モーター焼損や部品破損といった重大な故障を招く恐れがあります。
③ 環境負荷と法令違反
フロンは大気中に放出されると、CO₂の数百倍以上の温室効果をもたらす物質です。
そのため、2015年に施行された「フロン排出抑制法」により、業務用機器を所有する事業者には点検・記録・報告の義務が課せられています。
知らずに放置してしまうと、法令違反に問われるケースもあるため注意が必要です。
フロン排出抑制法に基づく点検と管理の基本
「フロン排出抑制法」は、冷凍機や空調機などの冷媒を扱うすべての事業者に対して、適切な管理を求める法律です。
冷凍式エアドライヤーもこの対象に含まれます。
点検の種類
・簡易点検(3か月に1回以上)
現場の担当者による目視や運転確認。油汚れ、異音、霜付きなどの異常をチェックします。
・定期点検(機器の規模に応じて実施)
「第一種フロン類充填回収業者」などの有資格者による点検が必要です。
冷媒圧力や温度を測定し、漏えい箇所の有無を確認します。
定期点検の実施頻度
フロン排出抑制法では、機器の冷凍能力(圧縮機出力)に応じて点検頻度が定められています。
| 機器の出力 | 定期点検の頻度 | 備考 |
| 50kW以上 | 1年に1回以上 | 大型チラー・冷却装置など |
| 7.5kW以上〜50kW未満 | 3年に1回以上 | 多くのエアドライヤーが該当 |
| 7.5kW未満 | 法的義務なし(簡易点検のみ) | 小型機器に多い |
※ いずれの場合も、点検結果や修理履歴を3年間保管する義務があります。
漏えいが確認された場合
漏えいが見つかった場合は、速やかに修理し、修理・充てん・漏えい量を記録する必要があります。
また、漏えい量が一定基準を超える場合には、国(事業所管大臣)への報告が必要です。多くの場合、実際の手続きは都道府県の担当窓口を通じて行います。
現場でできる予防と早期発見のポイント
フロン漏れは「突然起こるトラブル」ではなく、日々の点検で兆候をつかむことができます。
現場担当者が意識するだけで防げるケースも多くあります。
温度・露点の変化をチェック
出口空気の温度が上昇している、露点(結露温度)が高くなっている場合は、冷却性能が落ちているサインです。
温度や露点を定期的に記録し、変化を把握しておくことが重要です。
異音・振動・霜付きに注意
運転音が大きくなった、振動が増えた、配管に霜が付きやすくなった。
これらは冷媒回路に異常が発生している可能性を示します。早めの点検がトラブル防止につながります。
周囲環境の清掃と通風確保
熱交換器や放熱フィンの汚れ、吸気口の閉塞は、冷却効率の低下や過負荷の原因になります。
定期的な清掃と周囲の通風スペース確保を心がけましょう。
岡谷酸素のサポート体制
岡谷酸素では、冷凍式エアドライヤーをはじめとした冷媒機器の点検・修理・管理サポートを行っています。
「第一種フロン類充填回収業者」の資格を持つ技術者が、法令に基づく確実な点検を実施します。
主なサポート内容
・冷凍式エアドライヤーの定期・簡易点検
・フロン漏えい量の測定・記録・報告支援
・法令対応・管理表の作成支援
・省エネ型・ノンフロン機種への更新提案
特に、設置から10年以上経過した機器は、配管や継手の劣化によって漏れのリスクが高まります。
岡谷酸素では、使用年数・稼働環境・運転状況をもとに、更新や省エネ化のご提案も行っています。
まとめ | 設備の安定と環境保全の両立へ
冷凍式エアドライヤーのフロン漏れ対策は、単に機械を守るためだけではありません。
それは、環境を守り、法令を守り、そして生産の安定を守るための重要な取り組みです。
日常点検と専門業者による定期点検を組み合わせることで、安心して機器を運用できます。
岡谷酸素は、空気・ガス・環境のプロとして、みなさまの現場を支えるパートナーであり続けます。
冷凍式エアドライヤーの保守やフロン管理についてお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。