工場で使われるチラー(冷凍式冷却水循環装置)は、製品や装置の温度を一定に保ち、生産ラインの品質と精度を支える重要な設備です。
近年は、省エネ化や環境対策の観点からも、その運用と管理がより重視されるようになっています。
一方で、チラーに使用される冷媒(フロン類)は、冷却性能を生む一方で、大気中に放出されると強い温室効果をもたらす物質でもあります。
もし漏れを放置してしまうと、冷却性能の低下だけでなく、「フロン排出抑制法」に基づく法令違反にもつながる可能性があります。
今回は、チラーにおけるフロン漏れのリスクと、法令に沿った正しい点検・管理のポイント、そして岡谷酸素によるサポート内容をご紹介します。
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目次 |
フロン漏れが引き起こすトラブル
冷却性能の低下
チラーは、圧縮機で冷媒ガスを循環させることで冷却水を冷やしています。
冷媒が減少すると熱交換効率が下がり、設定温度まで冷えなくなるほか、製品温度のばらつきや生産精度の低下を招きます。
「設定温度まで下がらない」「運転時間が長い」「異音がする」などの症状は、冷媒漏れのサインかもしれません。
機器へのダメージ
冷媒が不足した状態で運転を続けると、コンプレッサーに過剰な負荷がかかり、焼損や圧縮不良などの故障につながります。
漏れの早期発見と補修を怠ると、修理費用や生産停止による損失も大きくなるため注意が必要です。
環境への影響
フロンは大気中に放出されるとCO₂の数百〜数千倍の温室効果をもたらします。
こうした背景から、日本では「フロン排出抑制法」により、業務用冷凍・空調機器を使用する事業者に対し、定期的な点検や記録の保存が義務付けられています。
フロン排出抑制法のポイント
「フロン排出抑制法」は、冷媒を使用するすべての第一種特定製品(業務用冷凍空調機器)を対象としています。
チラーもその対象であり、管理者(使用者)は以下の義務を負います。
簡易点検(3か月に1回以上)
対象:すべての第一種特定製品(チラー含む)
実施者:機器の管理者(使用者)
内容:目視による外観点検。配管の接続部や油にじみ、霜の付着、異音などを確認します。
3か月に1回以上の実施が義務付けられており、「年1回」では法令違反となります。
点検結果は記録し、異常があった場合は速やかに専門業者へ相談しましょう。
定期点検(専門知識を有する者による点検)
対象:圧縮機の定格出力が7.5kW以上の機器
頻度:
7.5kW以上50kW未満 → 3年に1回以上
50kW以上 → 1年に1回以上
実施者:フロン類に関する専門知識を有する者(有資格者など)
※定期点検自体は「十分な知見を有する者」であれば資格がなくても実施可能ですが、冷媒の回収・充てんを伴う作業には資格が必要です。
記録と保存義務
点検や修理、冷媒充てん・回収の結果は機器ごとに記録し、機器の廃棄後3年間保存することが義務付けられています。
記録が残っていない場合、行政から「未実施」と見なされる可能性があるため、点検を行った際は必ず記録を残しましょう。
漏えい報告の義務
年間の漏えい量が一定量(CO₂換算1,000トン以上)を超えると、都道府県知事への報告が義務となります。
小規模な事業所では該当するケースは多くありませんが、継続的に点検記録を残すことで、漏えい量の把握と適正管理につながります。
フロン漏れを防ぐ日常点検のポイント
法令に基づく点検に加えて、日常的な確認も欠かせません。
以下の項目を意識してチェックすることで、漏れや性能低下を早期に防ぐことができます。
・配管接続部や継手の油にじみ・霜の有無
・コンプレッサーの運転音・振動の変化
・冷媒圧力や電流値などの運転データの推移
・冷却性能が安定しているか、温度ログを定期的に記録
・点検・修理の履歴を機器単位で管理
小さな異常の積み重ねが大きな故障や漏えいにつながるため、「いつもと違う」と感じた時点で対応することが大切です。
冷媒管理は「環境対応」と「品質維持」の両立
冷媒管理は単なる法令遵守ではなく、製品品質を守るための基本的な設備管理でもあります。
冷媒が適正量で維持されていれば、チラー本来の冷却性能を発揮でき、安定した生産と省エネ運転が可能になります。
また、環境対応への取り組みは企業の信頼にも直結します。
点検体制を整えることは、社会的責任を果たすことでもあり、取引先や監査の評価にもつながります。
岡谷酸素のサポート体制
岡谷酸素では、チラーをはじめとする冷凍・空調機器について、フロン排出抑制法に対応した点検・修理・記録管理を一貫してサポートしています。
有資格スタッフによる点検・補修
冷媒回収技術者などの資格を持つスタッフが、法令に基づいた点検を実施。
漏れ箇所の特定から補修、冷媒の再充てんまで一括で対応します。
記録・報告のサポート
点検結果の記録簿作成や、報告書類の作成も代行可能です。
管理負担を軽減しながら、法令遵守を確実に進めることができます。
更新・入れ替え提案
老朽化が進んだチラーは漏えいリスクが高く、エネルギー効率も低下します。
岡谷酸素では、省エネ性・環境性能の高い新機種への更新提案や、廃棄時のフロン回収・破壊処理まで責任をもって対応します。
まとめ
チラーの冷媒漏れは、冷却性能の低下だけでなく、環境負荷や法令違反にも直結します。
簡易点検は3か月に1回以上、定期点検は機器の出力区分ごとに実施し、記録を残すことが重要です。
岡谷酸素は、点検から修理、記録管理までトータルでサポートし、お客様の「品質」と「環境対応」の両立を支えるパートナーとして、安心の体制で対応いたします。
「点検方法が分からない」「フロン管理を強化したい」
そんなときは、ぜひ岡谷酸素へご相談ください。