「最近、圧縮空気が湿っぽい」「ドレンの量が増えた気がする」――。
そんな変化を感じたら、エアドライヤーの冷却機能が低下しているサインかもしれません。
冷凍式エアドライヤーは、圧縮空気を冷やすことで水分を取り除く装置です。その“冷やす力”を生み出しているのが、冷媒(フロン)です。
もし冷媒が漏れてしまうと、冷却能力が下がり、露点温度の上昇や結露の増加など、空気品質の悪化につながります。
本記事では、冷凍式エアドライヤーの仕組みと、冷媒漏れの兆候・点検方法、そしてフロン排出抑制法に基づく管理のポイントについてわかりやすく解説します。
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目次 |
冷凍式エアドライヤーの仕組み
まずは、冷凍式エアドライヤーの基本構造を確認しましょう。
コンプレッサーから送り出された圧縮空気には多くの水分が含まれています。そのままでは配管内で結露したり、機械の錆や不良の原因となるため、ドライヤーで除湿を行います。
冷凍式エアドライヤーでは、冷媒(フロン)を循環させて空気を冷やす「冷凍サイクル」が働いています。流れは以下のとおりです。
1.冷媒コンプレッサー(圧縮機)で冷媒ガスを圧縮し、高温・高圧の状態にします。
2.コンデンサー(凝縮器)で外気によって冷やされ、冷媒が液体に戻ります。
3.膨張弁で圧力を下げ、冷媒を低温・低圧の状態にします。
4.エバポレーター(蒸発器)で圧縮空気と熱交換し、空気を冷却します。
このとき空気中の水分が冷却により凝縮し、ドレンとして排出されます。
つまり、冷媒はエアドライヤーの“冷やす力”の源であり、正常に循環していなければ十分な除湿ができません。
冷媒漏れが起きたときの兆候
冷媒漏れは目に見えにくいものですが、いくつかの「兆候」から早期発見が可能です。
冷却不足・露点上昇
冷媒が減少すると、エバポレーターの冷却能力が低下します。
結果として、圧縮空気の温度が十分に下がらず、露点温度が上昇します。
乾燥しきれない湿ったエアが流れることで、配管や下流機器での結露・トラブルの原因になります。
霜の付き方の異常
通常、エバポレーターの表面には均一に薄く霜が付きます。
しかし、冷媒量が不足すると、出口付近だけに霜が集中したり、まったく霜が付かなくなることもあります。
これは冷媒循環が不均一になっている典型的なサインです。
圧力・電流値の変動
冷媒漏れが進むと、冷媒コンプレッサーの吸入圧力が低下し、電流値が不安定になります。
運転音が変化したり、表示パネルに「高圧異常」「低圧異常」といったエラーが表示されることもあります。
現場で確認できるチェックポイント
冷凍式エアドライヤーは冷媒を扱う機器のため、修理や分解は専門業者が行う必要があります。
ただし、現場でも以下のポイントを確認することで、早めの対応が可能です。
吹き出し空気温度の上昇:冷えが悪い場合は冷媒不足や熱交換不良の可能性。
ドレン量の増加:除湿が不十分で水分が取り切れていないサイン。
エラーランプや表示コード:取扱説明書で内容を確認し、冷凍回路関連の異常でないかを確認。
熱交換器やフィルターの汚れ:目詰まりによって冷却効率が低下することがあります。
これらを確認しても改善しない場合は、冷媒漏れや圧縮機の不具合が疑われます。
無理な運転を続けず、専門業者に相談してください。
フロン排出抑制法に基づく点検義務
冷凍式エアドライヤーは、「フロン排出抑制法」に基づく第一種特定製品(冷凍・冷蔵機器)に分類されます。
そのため、使用者(管理者)には点検義務が定められています。
1. 簡易点検(管理者による点検)
対象:すべての冷凍式エアドライヤー(出力に関わらず)
頻度:3か月に1回以上
内容:目視による油にじみ、霜付きの異常、異音、振動などの確認
2. 定期点検
7.5kW未満:定期点検の法的義務なし(簡易点検のみ)
7.5kW以上50kW未満:3年に1回以上の定期点検が必要
50kW以上:1年に1回以上の定期点検が必要
冷媒漏れは法律で厳しく管理されており、定期点検は法令遵守とトラブル防止の両面で不可欠です。定期点検は「冷媒フロン類取扱技術者」などの有資格者が実施する必要があります。
また、点検結果や整備記録は、機器の廃棄時までおよび廃棄後3年間の保存義務があります。
岡谷酸素のトラブルサポート
岡谷酸素では、エアドライヤーをはじめとする空気圧縮設備の点検・修理・更新までワンストップ対応を行っています。
「冷えが悪い」「ドレンが多い」「エラーが出ている」など、気になる症状がある場合は、ぜひご相談ください。
経験豊富なサービススタッフが現場を訪問し、温度・圧力・運転データを確認しながら原因を丁寧に診断します。
また、岡谷酸素はフロン排出抑制法に基づく簡易点検・定期点検の両方に対応可能です。
法令遵守を徹底しながら、お客様の設備を安全かつ長くお使いいただけるようサポートします。
冷媒の充てん・回収から機器の更新提案まで、安心してお任せください。
まとめ
冷凍式エアドライヤーの「冷えない」原因には、フィルターの詰まりや設置環境だけでなく、冷媒(フロン)の漏れが潜んでいることがあります。
冷却不足や霜の異常、露点上昇などのわずかなサインを見逃さないことが、トラブルを防ぐ第一歩です。
岡谷酸素では、定期点検から修理・交換まで一貫して対応し、安心・安全な圧縮空気供給をサポートしています。
「調子が悪いかも」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
法令に基づいた確実な対応で、現場の安定稼働をお手伝いします。