夏場に増える「コンプレッサー並びにエアードライヤーの停止」トラブル
夏の工場では、気温の上昇に伴いコンプレッサーが頻繁に停止してしまう、というご相談をよくいただきます。
「ラインが止まってしまい、生産に影響が出た」「原因がわからず、そのたびに対応に追われている」――そんな経験をされた設備担当の方も多いのではないでしょうか。
コンプレッサー並びにエアードライヤーは、工場に必要な圧縮空気を安定的に供給する重要な設備です。
また、空気を圧縮する心臓部ともいえる存在で、空調や産業機械の稼働を支える役割を果たしています。だからこそ、停止が頻発すると工場全体の稼働に大きな影響を与えてしまいます。
本記事では、夏場にコンプレッサー並びにエアードライヤーが停止する大きな原因である「高圧カット」に注目し、原因と現場でできる3つの対策をわかりやすくご紹介します。
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目次 |
高圧カットとは?停止の仕組みとリスク
まずは「高圧カット」とは何かを確認しましょう。
コンプレッサーは内部で空気を圧縮し、必要な圧力を確保しています。しかし、何らかの理由で圧力が過剰に上昇すると、機械に負担がかかり故障や事故につながる危険があります。そこで安全装置として備わっているのが「高圧カット」です。圧力が規定値を超えると、自動的に運転を停止して機械を守る仕組みになっています。
安全のための装置ですが、夏場にはこの高圧カットが頻発しやすく、結果として「コンプレッサーがよく止まる」状況になってしまいます。停止が繰り返されると、以下のようなリスクが考えられます。
・生産ラインの停止による納期の遅れやコスト損失
・頻繁な停止による部品への負担増大、寿命の短縮
・無駄な電力消費やメンテナンス費用の増加
つまり高圧カットは「機械を守るための仕組み」でありながら、工場全体の効率やコストに影響を及ぼす要因にもなるのです。
コンプレッサーが停止する主な原因
では、夏場に高圧カットが頻発する原因にはどのようなものがあるのでしょうか。代表的な3つをご紹介します。
1. 周囲温度や換気の問題
夏の工場は室温が高くなりやすく、コンプレッサー内部の温度も上昇します。特に設置場所が閉鎖的で換気が悪いと、入気温度の上昇に伴い圧力が上がって停止につながります。
2. フィルターの詰まりや汚れ
吸込口やフィルターがホコリや油で詰まると、吸気効率が下がりコンプレッサーに負担がかかります。気づかないうちに圧力が上昇し、停止するケースは少なくありません。
3. 潤滑油(オイル)の劣化や不足
潤滑油はコンプレッサー内部の摩擦を防ぎ、正常な運転を支えています。しかし高温下では劣化が早まり、潤滑性能が落ちて内部の発熱や圧力上昇を招きます。オイル不足や交換時期の遅れも、停止の大きな要因となります。
現場でできる高圧カット対策3選
原因がわかったところで、現場ですぐに取り組める対策を整理してみましょう。
対策1:設置環境を改善する
・コンプレッサー室の換気を強化する(換気扇や送風機の設置)
・周囲に熱を発する設備を配置しない
夏場はとくに「熱がこもらない入気・排気対策の環境づくり」が重要です。
対策2:フィルターや吸込口の清掃を徹底する
・フィルターを定期的に清掃・交換する
・吸込口にゴミやホコリが溜まらないよう点検する
・粉塵が多い作業環境では、毎日のチェックがおすすめ
小さな汚れが、大きな停止トラブルにつながることもあります。
対策3:潤滑油(オイル)の点検・交換を早めに行う
・メーカー指定のオイルを使用する
・夏場はオイルの劣化が早いため交換サイクルを短めに設定する
・オイルレベルの目視確認を習慣にする
日常点検チェックリスト
コンプレッサーの安定稼働のために、以下の点検を習慣化しましょう。
毎日の点検項目
□ オイルレベルの確認(オイルゲージで適正範囲内か確認)
□ 周囲温度の測定(35℃以下が理想)
□ 異音・異常振動がないか確認
□ 圧力計の数値確認(設定圧力範囲内か)
週1回の点検項目
□ エアフィルターの清掃・状態確認
□ ドレン(凝縮水)の排出
□ 冷却ファンの動作確認
□ 配管の漏れチェック
月1回の点検項目
□ オイルの色・粘度チェック(透明感が失われたら交換時期)
□ ベルトの張り具合確認
□ 安全弁の動作確認
修理・点検を依頼するタイミング
応急的な対応で改善が見られない場合は、早めに専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
判断の目安は以下の通りです。
・1週間のうちに何度も高圧カットが発生している
・清掃やオイル交換をしても改善しない
・停止と同時に異音や振動が発生している
修理費用は状況によって幅がありますが、軽微な清掃で済む場合は数万円程度、本格的な部品交換になると数十万円に及ぶこともあります。長期的に見れば、早期対応がコスト削減につながります。
よくある質問
Q: 高圧カットが起きた後、すぐに再起動してもいいですか?
A: すぐの再起動は避け、5~10分程度待ってから再起動することをおすすめします。内部温度が下がらないまま再起動すると、再び高圧カットが発生し、機器に負担がかかります。再起動前に、フィルターの状態や周囲温度も確認しましょう。
Q: どのくらいの頻度なら正常範囲ですか?
A: 月に1~2回程度なら許容範囲ですが、週に複数回発生する場合は異常と考えられます。特に同じ時間帯に頻発する場合は、その時間帯の使用状況や環境温度を記録し、原因特定につなげることが重要です。
Q: 応急処置として扇風機を当てるのは効果的ですか?
A: 一時的な効果はありますが、根本的な解決にはなりません。扇風機では冷却能力が不足することが多く、また、ホコリを巻き上げてフィルターを詰まらせる可能性もあります。スポットクーラーや換気扇の設置など、適切な冷却設備の導入をおすすめします。
Q: オイル交換の目安を教えてください
A: 一般的には2,000~3,000時間ごとの交換が推奨されますが、夏場は1,500~2,000時間での交換がおすすめです。ただし、使用環境や稼働率によって異なるため、オイルの色が茶褐色に変色したり、粘度が低下している場合は早めの交換を検討してください。
岡谷酸素のサポート体制
岡谷酸素では、長野県内を中心に工場設備の点検・修理・改善提案を行っています。
・コンプレッサーの定期点検や修理対応
・設置環境に合わせた改善提案
・補助金を活用した省エネ対策のご案内
「コンプレッサーが頻繁に止まって困っている」「高圧カットの原因がわからない」といったお悩みは、ぜひお気軽にご相談ください。地域密着型の対応で、安心してお任せいただけます。
まとめ
・夏場にコンプレッサーが停止するのは「高圧カット」が主な要因
・冷却不足・フィルター詰まり・オイル劣化が代表的な原因
・設置環境改善・清掃・オイル点検という3つの対策でトラブルは予防可能
・日常点検チェックリストを活用して、トラブルを未然に防ぐ
・頻発する場合は早めに専門業者に点検を依頼することが安心
安定した工場運営のために、日々の小さな点検や環境改善を心がけ、必要に応じて岡谷酸素にご相談ください。