「最近、やけに水が多い気がする」
「ドレン処理装置がすぐ満水になってしまう」
梅雨から夏場にかけて、こうした声を工場の現場でよく耳にします。
排水が目に見えて増えると、「どこか壊れているのでは?」と不安になりますよね。
実はこのドレン量の変化、単なる季節要因で片づけてしまうのは危険です。
ドレンは“ただの水”ではなく、設備の状態や空気品質を映すバロメーター。
量や頻度の変化は、トラブルの前兆を教えてくれている可能性があります。
今回は、「排水が多いのは正常なのか、異常なのか」「放置するとどんなリスクがあるのか」「どこを点検し、どう対策すべきか」を、保全・品質管理担当の方向けにわかりやすく解説します。
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目次 |
「最近、水が多いな」と感じたら要注意
圧縮空気を使う工場では、ドレン(水分)が発生するのは避けられません。
空気中の水分が圧縮・冷却されることで、水として分離されるためです。
ただし重要なのは、「例年と比べてどうか」「最近急に変わっていないか」という点です。
たとえば、
・ドレン排出の回数が明らかに増えた
・ドレン処理装置がすぐ満杯になる
・ドレン受けがいつもより早くたまる
・配管末端から水が出やすくなった
こうした変化は、設備に余計な負担がかかっているサインかもしれません。
ドレン量は、コンプレッサー・エアードライヤー・周辺環境これらの状態が複合的に表れた結果です。
「水が多い=季節だから仕方ない」と決めつけず、一度立ち止まって確認することが大切です。
排水量が急増する主な原因
では、なぜドレン量が増えるのでしょうか。
代表的な原因を見ていきましょう。
吸気温度・湿度の上昇
梅雨から夏にかけては、空気中の水分量が一気に増えます。
同じ量の空気を吸っても、含まれている水分そのものが多いため、結果として排出されるドレンも増加します。
特に、
・コンプレッサー室の換気が不十分
・屋外に近い高温多湿な場所で吸気している
こうした環境では、想像以上に水分を取り込んでいるケースがあります。
エアードライヤーの能力不足
設備増設や稼働時間の延長により、処理すべきエアー量が増えていることも要注意です。
ドライヤーの能力を超えた空気量が流れると、
・十分に冷却・除湿されない
・結果として下流側で水が多く出る
という状態になります。
「以前は問題なかった」という場合でも、運用条件が変わっていれば能力不足が起きている可能性があります。
冷却不良・汚れの蓄積
ドライヤーやコンプレッサーの冷却系が汚れていると、熱交換効率が低下します。
・冷却ファンやフィンの目詰まり
・周囲温度の上昇
これらが重なると、除湿性能が落ち、ドレン量増加につながります。
点検すべき部品と箇所
排水量が多いと感じたら、まずは以下のポイントを確認してみてください。
ドレントラップの動作確認
・常時エアーが漏れていないか
・逆に詰まって排水できていない状態になっていないか
トラップの不具合は、「実際より水が多く見える」「適正排出量非動作」といった誤認の原因にもなります。
冷却ファン・フィンの汚れ
ホコリや油分が付着すると、見た目以上に性能が低下します。
定期清掃が後回しになっている場合は、要注意です。
周囲環境の変化
・コンプレッサー室に熱源が増えていないか
・換気扇が止まっていないか
設備本体だけでなく、「置かれている環境」も必ず確認しましょう。
対策方法:能力増強と環境改善
原因が見えてきたら、次は対策です。
一時しのぎではなく、今後も安定運用できるかを意識することが重要です。
補助タンク・大型ドライヤーの検討
・ピーク時のエアー使用量が多い
・夏場だけ極端に負荷が上がる
こうした場合、補助タンクの追加や、余裕を持った能力のドライヤーへの更新が効果的です。
ドレン量の増加を抑えるだけでなく、機器寿命の延長にもつながります。
吸気環境の改善
・外気導入位置の見直し
・直射日光を避ける
・換気の強化
これだけでも、取り込む水分量を減らせるケースがあります。
ドレン水処理と環境問題の改善事例
ドレンが増えると、処理そのものも大きな負担になります。
・頻繁な排水作業
・産業廃棄物処理コストの増加
・法令対応への不安
こうした課題に対し、油水分離槽を導入することで、
・水と油を分離し、産廃処理コストを削減
・法令遵守を確実に
・現場作業の手間を軽減
・環境IOS14000対策
といった改善につながった事例もあります。
「処理が追いつかない」と感じた時点が、見直しのタイミングです。
まとめ | ドレン管理は工場の義務
ドレンは、設備がきちんと仕事をしている証拠である一方、異常を知らせるサインでもあります。
排水量の変化を放置すると、
・製品のサビ
・塗装不良
・エアー品質低下によるトラブル
といった形で、後から大きな問題として表面化しかねません。「最近多い気がする」その直感は、意外と正しいものです。
岡谷酸素では、
・現場状況の確認
・ドレン量の傾向チェック
・最適なドレン処理機器のご提案
まで含めたサポートを行っています。
不安を感じたら、早めにご相談ください。
ドレン管理の見直しが、工場全体の安定稼働につながります。