工場や製造現場では、圧縮空気中の水分を除去し、機器の錆や不良を防ぐために「エアドライヤー(冷凍式)」が欠かせません。
しかし、この冷凍式エアドライヤーには「フロン類」と呼ばれる冷媒が使用されていることが多く、もし漏れが発生した場合、単なる冷媒不足ではなく、法令違反に発展する可能性があることをご存じでしょうか。
環境省が定める「フロン排出抑制法」により、冷凍式エアドライヤーを含む機器には、点検・記録・報告の義務が課されています。
この記事では、法令のポイントと点検の流れ、そして岡谷酸素が提供するサポート内容をわかりやすく解説します。
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目次 |
フロン排出抑制法とは? まず押さえたい3つのポイント
「フロン排出抑制法(正式名称:フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)」は、地球温暖化の原因となるフロン類の漏えいを防ぐための法律です。
空調機や冷凍機などの冷媒回路を持つ機器が対象で、冷凍式エアドライヤーもこの「第一種特定製品」に該当します。
設備管理者が押さえておくべきポイントは次の3つです。
1. 簡易点検の実施
すべての管理者に義務があります。
機器の運転中に異音・振動・油じみ・霜付きなどがないかを3か月に1回以上の頻度で確認します。
特別な資格は不要ですが、点検結果は必ず記録に残す必要があります。
2. 定期点検の実施
機器の規模により、法的義務の有無と頻度が異なります。
7.5kW未満:定期点検の法的義務なし(簡易点検のみ)
7.5kW以上50kW未満:3年に1回以上の定期点検が必要
50kW以上:1年に1回以上の定期点検が必要
定期点検は「冷媒フロン類取扱技術者」などの有資格者が実施する必要があります。
3. 記録・報告の義務
点検結果や補修・冷媒充てん・回収などの内容を機器ごとに作成・保存(機器の設置時から廃棄後3年間まで)しなければなりません。
また、年間のフロン類漏えい量が1,000トン-CO₂以上に達した場合は、国(環境省)への報告義務が発生します。
これらの義務は、機器を所有・使用する設備管理者の責任です。
「保守業者に任せているから大丈夫」という認識ではなく、管理記録を提出できる体制を整えることが求められています。
違反事例とリスク
フロン排出抑制法の運用は年々厳格化しています。
環境省の発表(令和4年度)によると、点検未実施・記録不備などで行政指導(指導・助言等)を受けた設備管理者(第一種特定製品管理者)は約200件にのぼり、関連事業者を含めると年間で数百件規模に達しています。
法令遵守への関心が高まる一方で、対応が遅れている企業も少なくありません。
たとえば次のようなケースでは、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。
・定期点検を怠っていた
・フロン漏れを把握しながら補修せず放置した
・点検記録を保存していなかった
これらが発覚した場合、まずは都道府県知事による「指導・助言」→「勧告」→「命令」のプロセスが取られます。
それでも改善が見られない場合、命令違反として50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、重大な違反があった場合は企業名の公表や行政処分が行われることもあります。
一方で、フロンを回収せずに機器を廃棄した場合などは、これらの手続きを経ずに直罰(即罰則)となるケースもあるため注意が必要です。
こうした法的リスクに加え、漏えいによる機器の故障や生産停止など、経済的損失のリスクも無視できません。
点検の流れと記録方法
簡易点検
現場担当者が日常的に行う点検です。
以下のポイントを目視や音・振動などで確認します。
・冷媒配管や継手部分に油じみがないか
・冷却コイルに霜付きや結露がないか
・運転音や振動に異常がないか
・温度・圧力表示が正常値か
異常が確認された場合は、そのまま運転を続けず、専門業者に相談・点検を依頼してください。
定期点検
有資格者が専用機器を使用して実施します。
漏えい検知器による確認、圧力測定、冷媒量・電流値・温度のチェックなどを行い、結果を点検票に記録します。
点検票には「点検日」「実施者名」「異常の有無」「整備内容」などを明記し、設置から廃棄後3年間保存することが義務です。
記録は紙媒体だけでなく、Excelなどでの電子管理も可能です。
岡谷酸素では、お客様の保守履歴をデータで一元管理し、後の報告作業にも活用できる形で提供しています。
岡谷酸素によるサポート
岡谷酸素では、冷凍式エアドライヤーをはじめとする冷媒機器について、定期点検・修理・更新提案まで一貫してサポートしています。
・冷媒フロン類取扱技術者など有資格スタッフによる定期点検
・点検記録簿の作成・保存支援
・フロン漏えい発見時の迅速な補修対応
・老朽化した機器に対する更新提案・省エネ型機種の紹介
特に、エアドライヤーは工場の圧縮空気品質を左右する重要な機器です。
わずかな不具合でも生産効率や製品品質に影響を与える可能性があります。
岡谷酸素では、設備の運用状況や設置環境を踏まえた最適な保守計画を提案し、「安全・省エネ・法令順守」の観点からお客様の安定稼働を支えます。
まとめ
フロン漏れは目に見えにくく、放置すると環境負荷だけでなく法的・経済的リスクを招きます。
冷凍式エアドライヤーを長く安全に使用するためには、定期的な点検と正しい記録の管理が欠かせません。
岡谷酸素では、法令に準拠した点検と管理の仕組みづくりを、専門スタッフがしっかりサポートします。
「自社の点検体制を見直したい」「フロン排出抑制法に対応できているか不安」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。