ヘリウムガスは爆発しません。
ヘリウムガスは「不活性ガス」に分類され、化学的に全く不活性で反応性のないガスのため、火が付いたり、燃焼爆発する事はありません。
同様に不活性ガスに分類されるガスには、窒素ガス、アルゴンガス、ネオンガス等があります。
これらの不活性ガスは、化学的には安全なガスですが、高圧状態でボンベに充填されている場合、その圧力による物理的危険性には十分な注意が必要です。
具体的には、
・急激なバルブ操作は行わない⇒断熱圧縮によりパッキン類の焼失
・ボンベの粗暴な取扱いはしない⇒ボンベが転倒して、バルブや調整器が破損してガスが噴出
・直射日光の当たる場所への放置はしない⇒ボンベが高温になり安全弁が作動しガスが噴出
・高圧のガスが一気に噴出すると、重いボンベがコマのように回転したり、場合によってはロケットのように飛ぶ事もあります。
通常のボンベには、14.7MPaの圧力でガスが充填されています。14.7MPaとは、1平方cmに約150kgの力が掛かっています。つまり、指先にお相撲さんが乗っているようなものです。
<<ちょっと余談>>
ヘリウムガスは、非常に軽いガスで空気の重さを1とした場合約0.14です。そのため縁日などで売られている、浮かぶ風船にはヘリウムガスが詰められています。ヘリウムガスより軽いガスに水素ガスがあり、こちらは空気の重さを1とした場合約0.07で、風船に詰めれば浮きますが、ヘリウムガスと違って可燃性のガスで爆発します。その昔、飛行船に水素を使っていた時代がありました。しかし飛行船の爆発事故をきっかけに水素を使わなくなった歴史があります。
※※くれぐれも風船に水素を詰めること無かれ!※※