炭酸ガスの圧力調整器は、何故ヒーターが必要なのですか。
炭酸ガスは、容器に液体(液化炭酸ガス)に状態で充填されています。炭酸ガスを使用するには、液体のガスを蒸発させて気体で使用します。
液体の炭酸ガスを気化させるためには、圧力調整器にヒーターが無いと調整器が凍りついたり、ドライアイスが生成して供給圧力が安定しないのです。そのため、炭酸ガス用の圧力調整器にはヒーターが内蔵されています。
Arの調整器をCO₂に使えませんか?
前述した理由からAr(アルゴン)用圧力調整器を炭酸ガスに使用することはできません。炭酸を使用する際には、炭酸用の圧力調整器をお使いください。
では、CO₂の調整器をArに使えますか?
逆に炭酸ガス用圧力調整器をアルゴンに使用できるかというと、これもできません。アルゴンと炭酸ガスは容器に充填されている圧力が違うためです。
アルゴンが14.7MPaに対して炭酸ガスは約7MPaと約半分の圧力のため、圧力調整器の設計圧力や付いている圧力計が違います。
補足1
基本的にはアルゴン、炭酸ガス各専用の圧力調整器を使用しますが、「アルゴン-炭酸ガス兼用調整器」というヒーター内蔵でアルゴンの充填圧力14.7MPaに対応した製品もあります。
注意
炭酸ガスの容器には、通常の物とサイホン管付の2種類が存在します。サイホン管付の容器は、ヒーター付の圧力調整器では使用できません。サイホン管付きは、比較的大量のガスを長時間使用する場合に、専用の気化器(蒸発器)を設置して使用する場合か、ドライアイスを製造する場合等直接液体で使用する場合に使います。誤ってサイホン管付き容器に圧力調整きを付けて使用すると、調整器内に液体が流れ、作動不良を起こして、低圧側に高圧がかかる危険性があります。サイホン管付き容器に調整器を取付けないように注意してください。