LPガスは輸出国の港で渡される価格で、$/tという単位で取引されています。日本までのタンカー運賃(フレート)などは含まれていません。
これまでLPガス輸入元は、サウジアラビアやUAE等の中東地域にその多くを依存していました(CP:中東産LPガス)。近年、北米におけるシェールガス革命によりシェール随伴LPガスが輸入されるようになりました。更に2016年6月に新パナマ運河が開通したことにより、現在では北米産LPガスの輸入量が増加し、CP価格や日本のLPガス流通価格にも影響を及ぼすようになりました。この北米産LPガスの価格をMB(モントベルビュー)価格といいます。
これまでCP価格が流通価格の基準となっていましたが、2018年以降はMB価格も取り入れ、さらに中東出荷・北米出荷それぞれのタンカー運賃(フレート)を加味した流通価格(CFR)へと変更されています。
用語
MB:(≒北米産LPガス)テキサス州モントベルビュー市のLPG基地におけるプロパン取引価格です。全米で生産されたガスはパイプラインでテキサスに集められ精製されるため、ここでの取引価格がマーケット指標価格となっています。
CP:(≒中東産LPガス・contract price⇒通告価格)LPガス生産量が多いサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が原油価格動向のほかに、サウジ及び他産ガス国のスポット入札価格を総合判断して決められた価格です。現実にはサウジアラムコ社による一方的な通告価格となります。
FOB:(free on board)貿易取引の基本条件の一種で、出荷地での本船積込渡し価格のことです。
フレート:(freight)タンカー運賃または用船料のこと。毎月変動します。
CFR:(cost and freight)FOBにタンカー運賃(フレート)が含まれた価格で、LPG元売りの日本国内の指標価格として用いられます。