法的なもの及び規格

 

医療ガス設備について

保安距離図

供給源装置ガス貯蔵量について
◆定置式超低温液化ガス供給装置(CE)
満量の 2/3が10日分以上 になるよう算出
◆可搬式容器による供給装置(マニフォールド式)
予想される使用量の第一供給と第二供給で、それぞれ 7日分以上 になるよう算出
◆緊急用の予備酸素貯蔵量
予想される使用量の1日分以上
(日本工業規格(JIS)より)

配管、各アウトレットの本体又は化粧板、遮断弁のふた及び遠隔警報器は、ガス名又は記号及び識別色により、ガスの種類を明確に識別できるものとする。
平成28年度版 国土交通省監修 公共建築工事標準仕様書
機械設備工事編 第11編医療ガス設備工事より

点検・測定・その他

医療ガス設備点検業務
医療関連サービスマーク(医療用ガス供給設備の保守点検業務)の認定を受け、医政発0906第3号厚生労働省医政局長通知「医療ガスの安全管理について」の別添2「医療ガスの保守点検指針」に準じた保安点検業務を実施いたします。各メーカーの専門的な技術講習を受講した経験豊富なスタッフが、予防保全の観点で、命に繋がっている医療ガス配管設備の安全と安心を提供いたします。

医療機器点検業務
医療機器の修理・保守点検を実施しております。
・医療機器修理業:松本営業所・長野営業所・新潟営業所
・修理区分:治療用・施設用機器関連

病院電気設備点検業務
JIS T 1022に規定されている病院電気設備の安全基準に沿って、手術室、ICU等のアイソレーション設備の点検業務を行います。

圧縮空気成分分析検査
医療ガス配管設備のうち、治療用空気に含まれる汚染物質(油分・一酸化炭素・二酸化炭素)の分析を行います。

環境清掃消毒業務
▼殺菌消毒・除菌消毒作業
日常、清掃できない箇所や高所の清掃・消毒を行い、細菌数を最小限に抑えることを目的とした定期環境消毒を行います。ホコリや汚れ・有機物などの除去・除菌洗浄(一次洗浄)を洗浄効果を含めて全面的に行い、洗浄後に殺菌消毒清拭を行います。
医療機器類(無影灯・モニター他機器)、器材棚についても同様な方法にて消毒作業を行います。消毒効果を計るため、消毒作業後、細菌の汚染度合いを菌種別にコロニー数同定します。
*感染菌が検出された場合、再度、同業務を行います。

▼床面ワックス作業
・床面洗浄作業
・床面WAX塗布作業

環境測定調査
▼空中浮遊微粒子数調査
空気中に浮遊している約10μm以下の粒径の浮遊粒子は、沈降しにくく長時間空気中に浮遊し感染源となりやすいことから、設計清浄度に保持できているかの測定を行います。

▼室内圧力調査
室外からの汚染物質を防ぐ目的とし、室内外の圧力差(陽圧・陰圧)が的確に保持できているか測定します。

▼風速風量換気回数調査
室内で発生した汚染物質を速やかに排除するためには、基準・規格により設計風量が定められております。その基準の風速風量・換気回数が十分に得られているかを測定し、フィルタの交換時期把握を行います。

▼環境微生物検査
・付着細菌検査
・浮遊細菌検査

▼フィルタ取り替え作業
環境測定は、清潔区域の状態が基準・規格に満たされているか確認するための非常に大切な業務です。フィルタが目詰まりしている状態では、空中浮遊微粒子数、風速風量・換気回数、室内圧力など清潔区域の環境維持に大きく影響を与えます。通常、手術室は外気の取り入れ、量によって室内圧力バランスを維持していますが、目詰まりにより本来の風速風量が得られない場合、室外からの汚染物質侵入が考えられます。
また、HEPA・ULPAフィルタは大変高価であり、定期的な交換ではなく数値に基づいた交換時期を予測し、ランニングコストの適正化を行います。

災害への備え

近年、大地震や台風等自然災害が増加しています。災害が発生した時、医療機関のBCP(事業継続計画)のお役に立つために、また、企業の社会的責任として欠かせない事は、「医療ガスの供給をいかに継続できるか」です。東日本大震災の際、医療用酸素ガスの確保に苦慮したとの報告がされています。岡谷酸素では、決して他人事ではないととらえ、「いざという時のために」何が備えられるかを追求しています。

医療用酸素ボンベ充填用 非常自家発電機

・酸素ガス充填用 2台(200V動力用)
・事務所維持、LPガス充填用1台
(100V電源用)

通常時、医療用酸素ガスのボンベへの充填は、弊社充填工場で電気を使用して充填しています。この発電機は、災害時工場への電気供給が途絶えた場合でも酸素ガスの充填を行い、避難所、救護所、被災医療機関へ継続的に医療用酸素ガスの供給を行えるべく導入しました。

【特徴】
①LPガスを燃料とした発電機
・岡谷酸素の酸素充填工場には全てLPガス充填工場が併設しており、発電機の燃料に困らない。
・燃料のLPガスは、油燃料と違い経年劣化がおこらないため、最適な燃料。

②発電機は移動可能
・通常時は松本営業所(長野県の中心部)で 保管されているが、災害 時は県内の被災した酸素充填工場へ台車に載せてユニック車で移動し、使用が可能。

③配送車両にも利用可能
・岡谷酸素の営業車両・配送車両は70%以上がLPガス自動車で、充填されたボンベの配送についてもこの発電機を使用して車両用のLPガスを充填することが可能。

社内災害対応用アイテム

緊急車両
岡谷酸素では、緊急事態の内容に分け早急な対応が出来るように配備されています。主に、LPガス設備対応用と医療ガス供給対応用に分かれ、医療ガス供給対応用は全社で33台登録しています。(長野県公安委員会登録)

通信手段
災害発生に伴い、松本営業所内の営業本部に対策本部が設置されます。ただし、万が一本部が被災した場合を想定し、衛星電話を配備しています。これにより、対策本部の機能維持に繋がります。

オーツーレスキュー(貸出用)
災害発生後、トリアージエリア等にて医療用酸素が必要になった場合に使用。最大8口のアウトレットが装備されています。

災害時における医療ガス等の供給に関する協定

平成24年3月23日に長野県と、一般社団法人日本産業・医療ガス協会 関東地域本部 長野県支部にて、この協定が締結されました。岡谷酸素は、県内の災害時、協会員として協会支部からの指示により医療ガス供給に関して、救護所・避難所にできる限りの供給協力する体制を整えています。

医療ガスの災害対策マニュアル

医療ガスの災害対策マニュアルのひな形をご提供できるよう準備中です。しばらくお待ちください。

工事関係

医療ガス配管設備工事

医療ガス設備パイピングシステム
ひとつひとつの小さな部品にいたるまで、絶対の安全性と確実性が求められる医療ガスの供給設備機器。「より安全に、より確実に。見えないガスを見えるガスに。」の理念のもと、ご提案から工事・メンテナンスまでをシステム化。徹底したサービスをご提供いたします。

 

設備設計
最新の医療ガス情報を元に、使用ガスを選定・提案・設計。病院稼動後のメンテナンスを考慮し、使いやすさ美しさを創造します。改修・増築に伴う設計にも柔軟に対応し、安定供給でき、なおかつ過剰設備にならないよう提案いたします。

施工管理
生命にかかわる医療ガスの重要性を認識し、確実な施工を行います。病院様のご要望にお応えしながら、常に患者様が使用される姿を想像して工事を行っております。医療ガスJIS規格に準じた施工を実施しております。

手術室内装工事
安全性と機能性を満たし、運用の効率化に寄与する手術部づくりをご提案いたします。
・進化する環境に柔軟に対応する新しいコンセプトの手術室
・従来の対流式空調のもたらすストレスを軽減し、快適な環境を提供する、輻射式手術空調
・標準化された壁面パネル、システム天井、設備機器から構成される手術室モジュラーシステム

安全管理として

災害防止活動では、メーカーから協力業者を含めて、年1回定期的に安全大会を開催し、その他、災害事例などの情報交換を密接におこなっています。
医療ガス供給設備が正常に機能するために負っている社会的責任は重大で、長年の実績に基づくノウハウの蓄積、また、常に最新の情報を共有する風道しの良さにより背負って行ける物と確信しています。

取扱いガスについて

酸素ガス(医薬品)

特徴
  • 無色、無味、無臭のガス
  • 空気よりも若干重い
  • 科学的には極めて活性が高く、他の物を酸化する力(酸化性・支燃性)が強い
用途
  • 吸入、人工呼吸器、高圧酸素治療装置

笑気ガス(医薬品)

特徴
  • 麻酔性があり、かすかに芳香臭がある
  • 空気より重い
  • 笑気濃度が高いと、物質は激しく燃焼する
用途
  • 麻酔

窒素ガス

特徴
  • 無色、無味、無臭のガス
  • 空気よりもやや軽い
  • 毒性はないが、大量吸入すると窒息の恐れがある
用途
  • 手術用器具の駆動源

炭酸ガス(医薬品・一般用)

特徴
  • 容器内で液状で充填
  • 空気よりも重い
  • 炭酸ガス濃度が高いと、二酸化炭素中毒の恐れがある
用途
  • 医薬品…腹腔鏡手術、内視鏡手術、呼吸療法
  • 一般用…凍結処置、検査用、ドライアイス

液化窒素

特徴
  • 超低温液化ガス(沸点-196℃)
  • 無色、無味、無臭の液化ガス
  • 密閉空間での急激な気化は、窒息の原因となる
用途
  • 冷凍手術用、冷凍保存用

医療ガスの注意点

ボンベについて

■日常的なボンベの取り扱いの注意点
●バルブの開閉はゆっくりと行う
断熱圧縮によるパッキンなどの燃焼、急激な圧力上昇による圧力計の破損につながる恐れがあります。

●流量計(ダイヤル式)一体型の酸素ボンベについて
流量計のダイヤルは確実に目盛に合わせてください。目盛と目盛の中間に無理に合わせると酸素の吐出が停止する場合があります。
元栓の装着されているボンベについて、使用開始時には元栓が開になっている事を確認してください。使用開始時はまず元栓開。使用終了時はまず元栓閉で。流量調整ダイヤル操作は常に2番目の操作です。

●不安定な場所に置かない
ボンベの転倒等によるボンベバルブの破損、周囲の人や物へ被害を与える恐れがあります。

●ボンベバルブは全開にせず少しだけ戻す
ボンベのバルブが開いているのか閉まっているのか分からない状態を経験された方が多いかもしれません。バルブは、全開状態から少し戻して使用すれば必ず開いているとの認識ができ、バルブに無理な負担をかけずに済みます。

■保管場所の注意点
●高温(40℃以上)になるような場所、火気、可燃物周辺に置かない
暖房器具の前やその他熱源を持つもの、これらの付近には長時間置かないようにご注意下さい。ボンベに当てられた熱によりボンベ内の気体圧力が上昇、場合によっては安全弁よりガスが突如噴き出してしまう場合が あります。
院内で頻繁に使用されている酸素は支燃性(燃焼を促進する)ですので、噴き出したガスによる災害にもつながりかねません。日々の業務で、常に意識するようにお願いします。

●水分の多い場所(床が濡れている、水回り周辺)には置かない
ボンベの素材には、鉄・アルミ・FRP等がありますが、鉄製のボンベには水分の付着を特に注意しなければなりません。水分に長時間さらされると鉄は錆びます。実際に錆が原因でボンベが破裂してしまった事故があります。使用場所や保管場所の周囲の状況には注意が必要です。
医療現場では欠かせない医療ガス。正しく使えば患者さんを救う薬ですが、間違って使うと一転、凶器に変貌します。これらの注意事項を守っていただくことにより事故を防ぐことができます。岡谷酸素では、これら事故を防止する為、積極的に医療ガス勉強会を行っております。知識や情報を共有し、より安全・安心に医療ガスをお使いできる環境づくりに貢献できれば幸いです。

各種医療設備機器の販売・設置

岡谷酸素では、医療ガス・医療ガス設備だけでなく、手術室・中央材料室・ICUなどの内装設備もご提案させていただきます。
シーリングアーム、無影灯、ウォッシャーディスインフェクターなどの各種機器の選定、動線・レイアウトプラン作成等、スタッフの皆様のご意見を頂戴しながら、安全で快適な医療環境作りのお手伝いをさせていただきます。

 

 

保安へのお手伝い

医療用ガス関連の保安活動として様々なバックアップをしています。

医療ガス安全講習会の開催

医療ガスの取扱い方・医療ガス設備の日常点検方法など基本的な内容から、医療ガス設備状況や事故事例など具体的な内容も含め、職員の方を対象に説明します。

【内容例】
・取扱い頂いているガスそのものの危険性
・ガスを供給している院内設備やボンベの取り扱い方法
・緊急時の対処方法、連絡体制の確認
・事故事例やヒヤリハットの事例紹介
・ガスの供給・保安管理体制について
・医療ガス関連業界の旬な話題について

医療ガス安全管理委員会への出席

医療ガス設備定期保守点検報告、設備改善提案や医療ガス関連の情報提供の場として、病院の医療ガス安全管理委員会へ同席させて頂いています。