溶接のスパッタで困っていませんか?

CO2/MAG溶接において、スパッタの発生で困っていらっしゃる方も多いかと思います。スパッタの処理にかかる時間をもっと減らすことができれば、作業効率も上がります。昨今、コスト低減のために安易に安いだけの外国製溶接ワイヤを使用したり、ガスを安価な炭酸ガスを選択されるケースが多く見受けられます。

これは、見かけ上の仕入コストの削減にはなりますが、実際には品質を落とし、スパッタ発生の原因になっているのです。溶接コストのなかで8割以上のコストを占めているのが人件費(=溶接時間)なのですから、スパッタの処理に時間をかけてしまうような安いだけの溶接ワイヤの選択、ガスの選択、溶接機の選択は大幅なコスト増につながることを認識しなくてはいけません。

対策1:シールドガスにアルゴンが入った混合ガスを使う

炭酸ガス溶接では、ワイヤ先端に大きな溶滴が生成され、大きな溶滴がワイヤから離脱し、大粒で多量のスパッタが発生する傾向があります。特に電流域が高まるとこの傾向が増長されます。

アルゴンガスと炭酸ガスの混合ガスを使用すると、サーマルピンチ力によって溶滴が絞られ、ワイヤ端から溶摘が容易に離脱します。炭酸ガス溶接とは逆に電流域が高まると、ワイヤの直径より小さな溶摘となって移行する状態=スプレーアークとなるので、スパッタの抑制に繋がります。また、この混合ガスはショートアーク領域でも溶摘の小粒化により、スパッタの絶対量の減少に効果があります。

対策2:波形制御によるスパッタの抑制

デジタル溶接機では波形と電流の細かい制御により、スパッタを抑制できる機能を持ったものが主流になってきました。
細かいスパッタがたくさん発生する短絡移行領域において、MAG溶接のメリット(母材入熱が少ない)とパルス溶接のメリット(スパッタレス)と、MAG溶接のデメリット(スパッタが多い)とパルス溶接のデメリット(アークブロー、入熱大)といった両者の特長を重畳させた条件裕度の広いMAG短絡で、スパッタ削減に成功しております。
具体的には短絡開放直後に電流を瞬間的に大きくする特殊波形を用いてワイヤ先端の溶融を早くし次回短絡が容易にできるようにし、そのうえで短絡周期を短くすることでスパッタを効果的に減少させる新短絡波形制御を開発しました。

また、短絡初期制御(=短絡検出後素早く電流を落ち込ませ微小短絡の発生を低減すること)と、ネック制御(=短絡解放後を予見し素早く電流を落ち込ませる)の二つのセカンダリング制御によりスパッタを効果的に削減させています。また、短絡移行電流域より高い電流域では、パルス溶接が有効です。松下溶接システムでは従来のパルスの欠点である過大入熱が原因のアンダーカットの減少に成功し、1パルス1ドロップの特殊制御によりアークを効果的に集中させております。

このような最新技術の搭載されたデジタル溶接機を用いることによりスパッタの大幅抑制に貢献できます。

対策3:ワイヤ送給性をよくする

CO2/MAG溶接では、電流量=送給速度となっている関係上、送給の乱れは電流値の乱れにつながりスパッタ発生の大きな原因のひとつです。ワイヤ送給性を向上させることによりスパッタ発生を減少できます。
ソリッドワイヤの場合、ノーメッキワイヤ(メッキレスワイヤ)が開発され通電性と送給性に優れるためスパッタの減少に効果があります。このメッキのないワイヤは短絡移行領域において有効です。
高級機では、4駆の送給装置を用いたり、ワイヤ送給に若干の負荷をかけることで安定した送給をさせている機種もあります。

対策4:フラックスコアードワイヤを使用する

フラックス入りワイヤは、フラックスコアードワイヤ、単にコアードワイヤと呼ばれ、その名の通り内部にアーク安定剤・合金剤・脱酸剤等を充填したものです。
要するに、被覆アーク溶接棒を逆にした構造です。特性・種類に応じて様々な形状のFCWがあります。現在では、メーカーが最も開発に力を入れている分野で、種類も大変多くなっています。アーク溶接材料中の使用比率で30%を超え、ソリッドワイヤに次ぐ2番目の品種構成比になっています。

FCWの一般的特徴は
・ビード外観が美しい。
・溶着速度がソリッドワイヤに比して大きい。
・スパッタの発生が極めて少なく、スパッタの大きさも小さい。
・含有剤により様々な種類・特長のワイヤが製品化されている。

フラックスコアードワイヤ(FCW)を使用すると、溶滴と溶融池との短絡が少なくなり(=スプレー化)スパッタが減ります。
このFCWは炭酸ガスで使用できるメリットもあります。FCWの種類にもよりますが、300A~400A位の比較的電流の高い範囲においてスパッタを抑制できます。中板~厚板の溶接に向いており溶接概観も美しいのが特長です。
FCWの溶着速度は同一電流で比較した場合、被覆アーク溶接棒より50~60%、ソリッドワイヤより10~20%高くなるというメリットがあります。これは、FCWの溶接電流が、外側金属部に集中するのでワイヤ突き出し長さ部分の熱量がソリッドワイヤに比較して増加するために、高溶融速度の特性が生じているためです。

ソリッドワイヤによる中~大電流域での炭酸ガス100%での溶接においては CO2⇔CO+Oによって生ずる分解熱のため、溶融池から反力が作用し、溶滴がなかなか滴下せずにワイヤ径よりも大きい粒になってしまうため、滴下時に溶融池から跳ね返った金属粒、つまりスパッタの発生が問題となりますが、FCWは含有成分により反力が減少し溶滴移行がスプレー化されるため、FCWを使うことで、スパッタの発生が極めて少なくなるのです。

対策5:より安定した直流制御をしているCO2溶接機を使う

CO2溶接機は内部で交流を直流に変換しています。その変換方法により直流の品質に差が出ます。送給性は電流の安定度に大きく影響されるので、この電流を安定させることがスパッタの抑制につながるわけです。
ですから、鉄芯+コイル方式よりもダイオード、ダイオードよりもサイリスタ、サイリスタよりもインバータの制御方法を使っている溶接機のほうがスパッタは少なくなります。当然、同じインバータ制御でもデジタル制御のもののほうがよりスパッタが少なくできます。

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