アルミ溶接について

アルミ溶接は交流で行う

アルミニウムのTIG溶接における最大の特徴は交流溶接で行うという点です。鉄やステンレスの直流TIG溶接では電極側が「-」母材側が「+」と常に一定ですが、アルミでは電極と母材が「+」「-」と交互に変わる交流TIG溶接で行います

アルミの表面は頑固な酸化皮膜で覆われています。アルミと酸素は仲が良く、アルミを空気中に放置するだけで酸化皮膜が形成され、融点が約2000℃と非常に高温なためこれを除去しなければ溶接を上手く行うことができません。酸化皮膜を除去するために、母材側を「-」としてアークの“クリーニング作用”を利用します。この時、電極側が「+」となり、電極は加熱して消耗してしまうので、大電流が流せないため、再度「-」にして安定的なアークを保ちます。これが繰り返し行われることにより、酸化皮膜の除去とアークの安定性が両立できるのです。

1970年代後半にサイリスタ制御の交流TIG溶接機が出てから、時代のニーズに合わせてアルミの溶接は飛躍的に進歩しました。

溶接方法

アルミニウムは融点が660℃とかなり低いですが、(鉄1540℃、オーステナイト系ステンレス1400℃)熱の伝わりが非常に良いため、溶接を開始すると熱が母材全体に拡がってしまいます。母材全体の温度が上がるので、母材自体の溶け落ちがしやすくなり、徐々に溶接中のトーチを動かす速度を変えなければなりません。また、同じ速度でトーチを動かし続けると、徐々にビード幅が広がって美しい溶接外観が得られなくなるため、溶融プール(アークが出ている先の母材が溶けている場所)の大きさを見ながらトーチの送り速度を早くする必要があります。

ここで、パルス機能の付いた溶接機を使うと、高い電流と低い電流を交互に流事ができる様になります。高い電流で母材を溶かし、低い電流で溶融プールを冷やし凝固させるため、溶け落ちが抑えられ、深い溶け込みが確保できます。他にも、パルス機能は以下の特長があります。

・薄板や裏波溶接が簡単
・溶け落ちが少なくなり、溶け込みも深くできる
・美しいビードが得られる
・パルスのタイミングに合わせて溶接ができるので、作業性が向上する

溶け込み不良の改善

パルスを使う
溶け込み不良に対して上記のパルス機能を使うと、アークを集中させることができるため、溶け込みを深くすることが可能となります。

混合ガスを使用する
また、シールドガスをアルゴン+ヘリウムの混合ガスを使用するとアルゴンのみの場合に比べ溶け込みが深くなります。いずれの場合も溶け込みを深くし、作業性の向上に有効な方法といえます。
パルス・混合ガスについて、詳しいことはこちらにも掲載されています。

割れ対策

アルミの溶接割れは、溶接部が冷えて固まる温度(凝固点)付近で発生するのが一般的です。これを高温割れといい、銅を含む合金である6000番系は銅組成の溶加材で溶接すると割れ易くなるので、適正な溶加材選定が必要です。

アルミ溶接における母材の種類と適切な溶接材料

合金系統 純Al系 Al-Cu系
母材の種類 1070 1100 2319
溶接材料JIS規格 A1070 A1100 A2319 A4043
合金系統 Al-Mn系
母材の種類 3003 3004
溶接材料JIS規格 A1100 A4043 A1100 A4043
合金系統 Al-Mg系
母材の種類 5052 5454 5083
溶接材料JIS規格 A1100 A4043 A1100 A4043 A5356 A5183
合金系統 Al-Mg-Si系 Al-Zn-Mg系
母材の種類 6063 7073
溶接材料JIS規格 A5356 A4043 A5356 A4043

電極の選定

アルミのTIG溶接で一般に使用する電極は、電極のチップカラーが水色の岡谷酸素イチオシのタングステン電極棒「匠」、緑色で添加物無しの純タン、灰色でセリウムが添加されているセリタンの3種類です。中でも250A以下の交流溶接では、電極の溶け落ちが少なく、耐久性や溶接中のアーク安定性に優れている「匠」が有効です。

匠の特徴
・放射性物質を含まない安全な電極棒
・熱歪が少なくなるため、薄板溶接に最適
・電極棒の溶け落ちが少なく、耐久性抜群!(500Aまで安定したアーク)
・アークの集中性と良好なアークスタートの相反する特性を実現
・250A以上の交流溶接には不向き

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