対策その1:TIG溶接のスピードをアップする

溶接速度が遅いことがひとつの原因ですから、溶接速度を速めることが対策になります。

1.溶接に使用するガスを変える。

通常はアルゴンガスを使用する場合が多いと思いますが、Ar+H2やAr+Heの混合ガスを使うことで、電流傾位を高めて溶融プールを形成しやすくし、母材を早く溶かすことができます。このようなガスを用いると溶接速度が飛躍的に高まり、単位時間あたりの入熱を減少させることで結果的にひずみの減少に繋がります。Ar+H₂は、オーステナイト系ステンレスの溶接などに多く使われ高速溶接を簡単に実現させることができます。

Ar+Heはアルミの溶接に最適です。速度を落とすとアルゴンに比べて著しく溶け込みが深くかつ大きくなります。このようにガスを変えると飛躍的に溶接速度を向上させます。速度が速いため自動溶接化することが効果的です。

2.パルスをつかう

パルス溶接とは、周期的に高い電流(パルス電流)を流すことによりしっかりとした深い溶け込みを確保させる溶接方法です。高い電流の後に低い電流(ベース電流)を流します。これにより溶融プールを冷やし凝固させることができ、溶け落ちを防止させています。高い電流と低い電流の周期(周波数)を速めていくと、溶融プールが振動をはじめ、アークも集中することにより高速溶接が可能になります。アークが集中すると、深い溶け込みと焼けが少ないというメリットもでてきます。

さらに、パルス電流とベース電流の比率を変えることも有効です。例えば、パルス電流を20%、ベース電流を80%に設定し、高い電流で一気に母材を溶かし、その後溶融プールをじっくり凝固させるといった手法(パルス幅を変えた溶接)を用いることにより、母材への入熱をさらに押さえることが可能となります。パルス電流=300A×20%、ベース電流=25A×80%に設定した場合の平均電流は100Aとなりますが、100Aの電流で一定に溶接した場合よりもひずみは激減させることができるのです。

3.電極を変える

タングステン電極棒の種類と研ぎ方も溶接スピードに大きく関わってきます。
多く使われる電極棒として、トリタン、セリタンなどが挙げられますが、電極棒の種類によってアークの集中が異なることはご存知でしょうか。トリタンとセリタンの場合、同じ研磨角度ならトリタンの方がアークの集中性が高まります。ただし、アークのスタートはセリタンの方が優れます。

また、先端の研ぎ角によってもアークの集中性が変わってくるということも重要です。誤解されている方が多いのですが、先端角度を鈍角(45~60°)にすると、アークは集中し、鋭角(20~30°)にするとアークが広がるのです。よって、電極の研磨角度を鈍角にするとアークが集中し、溶接ひずみの発生が抑えられます。材質と研磨角度の関係ですが、トリタン30°と セリタン45°がほぼ同じアークの集中になります。

ただし、溶接機(サイリスタ制御等のもの)によっては電流が下がりきらず理論通りの溶接ができないケースが多々あります。インバーター溶接機、特にデジタル溶接機等のシビアに電流コントロールのできる溶接電源が、低ひずみ溶接の実現には欠かせません。

一般に電極の研磨面積が大きいと(鋭角)アークスタート性が向上しますので、溶接の目的によって使い分ける必要があります。

以上のことから、TIG溶接で溶接ひずみを少なく仕上げるためには、パルス電流やベース電流、パルス周波数、パルス幅の設定が1A単位、1Hz単位で細かく設定できるデジタル電源が望ましいといえます。

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